内藤愛
megumi naito
exhibitions

resp. / Solo Exhibition / 2026

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「 resp. 」 というタイトルは、 respiration ( 呼吸 ) / response ( 反応 ) / respectively ( それぞれ ) これらの言葉の省略形として、 世界との応答関係を指し示す造語である。 このタイトルに二つの呼吸の体験に由来している。 一つ目は娘を産む時に体感した呼吸、 もう一つは父の最期の呼吸である。 出産時、 難航していたところに、 音楽をかけてもらい呼吸に意識を向けた。 すると次第に思考が薄れ、 身体の感覚が優位になっていくのを感じた。 その1年後、 父が他界した。 父はベッドサイドモニターで数値を確認しながら、 わずかに動く指で私と妹に指示を出し、 ベッドの形状を調整して、 呼吸を安定させた。 その姿は、 最期に肉体を乗りこなしているように見えた。 私は数々の思い出とともに、 出産時の自分の呼吸を思い出していた。 二つの呼吸はどこか似て感じられ、 生と死という対極の出来事も、 自然のリズムの中の一つの変化であり、 人間は自然の一部なのだという、 当たり前でありながら自然と切り離された現代社会の中で忘れてしまっていた事実を体感した瞬間だった。 胎児が時が満ちると身体を回転させながら産道を進むことや、 蚕が糸を吐く時期になると身体が飴色に透けること、 ジャワで育った四十四年周期で花を咲かせる竹が、 ワシントンに送られてもジャワの竹と同時刻に花を咲かせるという。 そのように、 人も植物も虫も、 生命たちは皆それぞれの方法で本来自然のリズムに呼応しながら変化し続けている。 呼吸は、 意識無意識下を揺れ動く運動であるが、 そのリズムの一つである。 進化の過程を辿れば、 私たちの呼吸はかつて水中で営まれていた生命活動と連続している。 重力や潮といった大きな自然の運動と無関係ではない。 私は 「 resp. 」 での呼吸の観察を始点として、 自然のリズムの中で変化する生命のふるまいを観察し、 その運動を模倣し象徴化することで、 世界に既に内在している調和と均衡を感知しうる表現を探求していく。 2026.03.01 内藤愛

Duration
March 1st - April 19th, 2026
Location
beborn, Tokyo
Press
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